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ggg(ギンザ・グラフィック・ギャラリー)で行われている「ノザイナー かたちと理由」展を見に行った。展示は非常に整理されていて丁寧だ。来場者はかなり外国人が多い印象。あれこれ考えさせる内容だったから少し書いてみたい。
 

小技が効いた展示空間

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壁面が大理石に見えたので変だなと思ったら印刷されたものだった。
床の大理石をスキャンして壁にも展開させているようだ。
このあたりはさすがスキがない。
 

自然の進化とデザインという行為

今回の展示はこれを対比させるものであり、それを証明するようにいくつもの事例をグラフィカルな面白さで明快に見せてくれている。真っ黒に塗りつぶされた動物たちや乗り物の模型は不気味さともに妙な可愛らしさを持ち合わせていた。IMG_6464
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こういう展示は警戒して見るべし

ノザイナーの太刀川さんは非常に頭の切れる御仁のようなので気をつけていないとノザイナーワールドに取り込まれてしまう。今回の展示のような「物の体系」「分類」を考えるときは気をつけなければならない。それは確証バイアスだ。

確証バイアス(かくしょうバイアス、英: Confirmation bias)とは、認知心理学や社会心理学における用語で、仮説や信念を検証する際にそれを支持する情報ばかりを集め、反証する情報を無視または集めようとしない傾向のこと。認知バイアスの一種。また、その結果として稀な事象の起こる確率を過大評価しがちであることも知られている。

出典:Wikipedia 確証バイアス

今回の展示で提示されているものは、その傾向が顕著でわかりやすいもの、ということでピックアップされているのだろうが、その陰には仮説にのらない事例がたくさんあるはずだ。仮説が正しく見えるように情報が整理されているようにも見えてしまった。一見理詰めの展示内容に思えるだけにその辺りを意識的に見ていかないといけない気がして素直に楽しめなかった、というのはひねくれ過ぎだろうか。

生物の進化の歴史は淘汰と進化の繰り返しだが、そこには突然変異という重要な要素もある。いわば「ノイズ」のようなものだ。人工物の場合特にノイズが入り込みやすい。そのあたりも含めてこの仮説を補強してほしいと思った。
 

ノザイナーとの収斂進化を果たした商品

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液体の中に細かい粒子が入っている展示物。
ひっくり返すとジワジワと下の方に堆積していく様子が見られるもの。
こういう商品あるよね?サンドピクチャーってやつかな。


ノザイナーが思考の末にこの展示物を生み出したことと、この商品のメーカーが図らずも同じ結果にたどり着いたことは今回の展示内容とあいまって興味深い。これもノザイナーの意図だったとしたらとても怖い。

iPhoneに統合されたたくさんの機能?

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iphoneにいろいろな機能が統合されているという展示。
パッと見でなるほど~だったけど、ちょっと?の部分も。
iPhoneに統合される前の製品もすでにいろいろなものが統合されているよね。
今回の展示は物事が一方向に向かうというように単純化されツリー状に示されているが、現実はいわゆるセミラチス状になっているのではないか。
あと電話機らしきものがいくつかあるのはどういうことなんだろう。
 

まとめ

Twitterでこの展示のことを検索してみると、みんな手放しで褒めちぎっている。もちろん素晴らしい展示であることは間違いないのだが、ぼくみたいな意見の人間はほかにいないのだろうか。あえてそんなこと書く必要ないと思っているのか。彼の才能に嫉妬するぼくの人間の小ささがこの記事を書かせているとも言えなくはないが、いろいろ考える切っ掛けになった良い展示だった。

ギンザ・グラフィック・ギャラリー第355回企画展
ノザイナー かたちと理由
2016年09月16日(金)~10月31日(月)

〒104-0061 東京都中央区銀座7-7-2 DNP銀座ビル1F
ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)
TEL:03-3571-5206/FAX:03-3289-1389
11:00am-7:00pm
日曜・祝日休館/入場料無料

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