UnBRELLA2
ぼくはデザイン関係の仕事をしているから、新製品のデザインとかにはわりと敏感な方だ。中でも傘というプロダクトは大昔からほとんどその形状や機能を進化できずにいたのだが、数年前からある転換点を迎えていたように思う。

それは「逆さに開く」ということだ。


今となっては別に目新しいものではないが、気になる点があったのでそれについて書いていこうと思う。
 

アッシュコンセプト UnBRELLA

UnBRELLA
ぼくが最初に逆さに開く傘を見たのはコレだったと思う。

by カエレバ

アッシュコンセプトは好きなメーカーだからいつも新製品が出るたびに注目していた。機能としては新しいがこの見た目はなかなか手を出しづらそうと思ったものだ。デザイナーの梶本博司氏の考案によるもので、長年の構想から実現に至ったその粘り強さに感銘を受けたものだ。

ただいかんせん機能と見た目と価格のバランスから買うところまでは行かなかった。
 

その後も続く逆さに開く傘

アッシュの傘を見てからしばらくすると国内外で同じような逆さに開く傘を目にするようになった。どこのメーカーも「逆に開く傘はウチが初めて開発しました!」と言わんばかりに。アッシュコンセプトの製品はみんなが真似したくなるデザインが多いから、知財関係をしっかりしている印象があった。そのあたりどうなっているんだろう。
 

海外の逆に開く傘

kazbrella
ぼくが巡回しているデザインサイトdezeenで見つけた同様の傘。これが2015年だからアッシュの傘の1年後くらいに発表されている。パッと見パクリなのかな?とも思ったが、デザインの世界は知らないうちに同じようなデザインに行き着いてしまうこともしばしばあるので何とも言えない。デザインの収斂進化だ。アッシュの傘が上部に骨がむき出しのことを考えるとこちらのほうがよさそうに見える。たたんだ時に水が垂れないのもこちらに軍配が上がるだろう。

ただ、この海外のデザイナーはリサーチ不足であったのではないかとも思う。アッシュの傘のデザイナーの梶本氏と、この傘のデザイナーがわりと年配であるという共通性は興味深い。お互いこの種の問題に長年取り組んでいたのであろう。

kickstarterでこの傘を見つけた。
kickstarter
興味ある人は検討してみてもよいだろう。
KAZbrella - Revolutionary Inside Out Umbrella


 

GAXumbrella

gax
「日本で考えられた世界初の技術」とうたわれている。2008年特許取得済とある。この年数だけを見るとアッシュの傘よりも随分前に考案されていたことになる。「傘を逆に開き布にしっかりと張力を与える機構」で特許を取っているとのことだが、外観上の意匠については知的財産的なものを押さえているわけではなさそうだ。パーツや構造にこだわっているようなので高級感はアッシュのものよりありそうではある。IF賞も撮っているのか・・しかし35,600円(税抜)という驚きの価格なので、そこまでの価値を感じられる人が買うのであろう。

GAXumbrella
 

Rebllera

rebrella
閉じた状態で立たせた姿はアッシュのUnBRELLAによく似ている。骨はむき出しになっておらず、開いた状態は普通の傘に見える。ただ持ち手の部分がC型になっているという特徴がある。手を通して支えられるというのは評価できるところだろう。通常の傘でもこのタイプがあってもよいと思う。
ちょっと待って!?この使用風景の写真、さっきの海外の写真のパクリじゃん。大丈夫か?
 

saKASA

sakasa
sakasa2
閉じた状態で立たせた姿はこれもアッシュのUnBRELLAによく似ている。骨が見えないこともReblleraに似ているが、持ち手部分は一般的なタイプだ。実用新案か・・・審査なく通るものだからグレーな感じね。
 

Plemo

plemo
ReblleraとsaKASAの合わせ技のようなデザインだ。骨が見えず、かつ、持ち手がC型だ。Amazonでベストセラー1位となっておりカスタマーレビューも高い。ただこのデザインはヤバイ。
moma
傘の内側が青空というのはニューヨーク近代美術館MoMAの傘(上画像)のパクリだ。このメーカーの傘を買うのは構わないが青空デザインのものはやめといたほうがいい。買うならどうぞ本物を。

by カエレバ
ぼくも持っていたがかなりしっかりした傘だったので損はしないはず。
開き方は普通の傘です。
 

もうこの流れは止められない

Amazonで見るだけでも上記以外の大量の逆さに開く傘を見つけることが出来る。もはやパクリというより定番デザインの流れになってしまった。ちゃんとしたメーカーの傘を買いたいのに、パチモンをつかまされてしまう可能性も高くなっている。こうなるともう収拾がつかず、先駆者であるデザイナーもメーカーも止めることはほぼ不可能だろう。悲しいことだ。 

by カエレバ
by カエレバ

 

よくレビューを見てから買おう

Amazonは私もよく使うのである程度は信頼しているのだが、それでも大量の偽物が出回っていると言わざるをえない。レビューの欄をよく見てから信頼できそうなところから買おう。レビューが全く付いていないところはとりあえずやめといたほうがよさそうだ。
 

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