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かつてぼくは建築系のデザインに携わっていたので、景観デザインについてもいろいろと調べたことがあった。

そんな中で驚愕したのがあの有名な高知県桂浜の龍王岬は実は作り物だった、というもの。知った当時はかなり愕然とし、そんな作り物をありがたがって見に行く観光客に対しとても寂しい感情を抱いたものだ。

ただ実際に現地を見たわけでもなく、もしかしたら作り物感を全く感じさせない出来栄えなのかもしれない。ちょうど四国に旅行に行く機会があったのでそこをちゃんと自分の目で確かめようと考えた。

実際に見てみると…

遠目にはさほど作り物感はない。
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連休ということもあり国内外の観光客がゾロゾロと龍王岬の階段を昇り降りしている。

近づいてみる。
あれっ?なんか作り物っぽい感じがする!!
前もってそういう知識があったからかもしれないがどうも不自然。
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妙にツルッとしているのだ。
テカテカしているというより、苔や汚れみたいなものが普通の岸壁に比べて少なすぎるように感じられるのだ。

そして叩いてみた。
さすがにポコポコとした手応えではなかったが、もしこの岸壁が一つの岩石の塊であるならば感じられるであろう重量感が手の感触と音からは得られなかったのは事実だ。嫁さんも「言われてみると確かに作りものっぽい!」とのこと。

うーん、、これはありがたがるのはキツイものがあるなあ・・・。

どのように作られた?

修復工事は太陽工業株式会社という主に膜構造で知られる会社が手がけている。
実例としては1970年の大阪万博のパビリオンや東京ドームなどが有名。
この会社の「イーストン(E-stone)」という擬岩(作り物の岩)で龍王岬は作られている。

かつて龍王岬は波による侵食のためかコンクリートでガチガチに固められていており、それを昭和30年代の観光絵葉書などを参考に設計したらしい。
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(太陽工業株式会社ウェブサイトより引用)
このあたりは太陽工業のサイトが詳しい。

【外部サイト】高耐久性と景観調和の意匠性を両立させた造形岩の事例

このサイトが古いからかもしれないが掲載されている画像がみんな小さくてこの修復工事の結果は非常に読み取りづらい。

擬岩といえばディズニーランド

つまり桂浜龍王岬は作り物の岩、いわゆる擬岩なのだ。
擬岩で思い浮かべるのはディズニーランドなどのアトラクション。
特に岩肌だらけのビッグサンダーマウンテンとかスプラッシュマウンテンとかジャングルクルーズだ。よくよく調べてみるとこちらは上記の太陽工業製ではなかった。旭ビルウォール株式会社のサイトにてその辺りに触れられている。

ディズニーランドはその敷地全体が作り物の世界なので、岩山が擬岩だろうと気にはならない。いや、気にならないわけはないのだが気にしだしたらキリのない世界なのでそこに関しては目を背けていると言ったほうがいいのかもしれない。

ただ桂浜の場合、太平洋という圧倒的な大自然の中に「ここが見どころですよ!」という感じで作り物の自然を見せられるので不自然極まりないと感じてしまうのだ。

もちろん龍王岬に登ってから眺める太平洋の光景は悪くないんだけどさ。
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まとめ

波などの侵食によってかつての風景が損なわれていくことは自然なことだ。
ただ、それを観光資源としていた人たちがそれを取り戻したいという気持ちも分からないではない。ぼく自身は自然の力によって姿を変えられた風景はそのままで構わないと考える。

もし富士山が噴火して形が大きく変わってしまったら?
元の形に作り直すべき?
新しい富士山のかたちをそのまま受け入れる?
規模によって答えは変わるのかもしれないが、実は考えておくべき深いテーマなのだ。

おまけ
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21エモンのゴンスケを彷彿とさせるライトアップ照明。


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